ツネイシ

ドッグマンのツネイシのレビュー・感想・評価

ドッグマン(2018年製作の映画)
3.8
腕の良い犬のトリマーでワンコと
別居中の娘が大好きな心優しい男
だがチビで貧弱な体躯の実写版の
セコビッチみたいなマルチェロ。

その悪友であるシモーネ。

プロ格闘家の如き体軀。

傷だらけのドタマ。

マルチェロをマブダチと呼び
ドラックをタカり危険な雑用
を押し付けておいて分け前は
雀の涙程しか寄越さない。

キレると売人だろうがゲーム
マシンだろうがぶっ壊す‼️

当然、マブダチのマルチェロ
も例外ではない‼️

一緒にヤクやってつるんでる時
以外にはシモーネはマルチェロ
を一方的に、徹底的に搾取する。

マルチェロはシモーネを切る事
ができる局面になっても何故か
彼を庇って丸1年臭い飯を食い
シモーネの罪(隣家への強盗)を
被ってご近所さんからハブられ
続ける事になる。

お務めを終えたマルチェロが
相応の分け前を要求するが、
シモーネは払う気ゼロ。

ヘタレなりに頭に来て中途半端
にやり返したらシモーネにボコ
られた上にジャイアン理論を
躾けられちゃう😭

追い詰められ我慢も限界になった
マルチェロはついに…。

レビューと広告のコメントには
ジャイアンとのび太(スネ夫?)
と書かれまくっており、2人の
関係性は単純化とデフォルメが
なされているが常に知人友人と
完全に対等で自分の意に染まぬ
事は常に拒否できる健全な関係
しか結んでいない人ばかりでは
無いと思うので、ただ単に二人
特にマルチェロが甘ちゃんだの
ヘタレだの言って済ませられる
ような単純な話では無いと思う。

一対一のみならず同調圧力だとか
関係性の形成の過程でどちらかが
常に優位な状態でそれが覆らない
とかはどんな人にも起こりうる事。

そこでいかにしてマルチェロの
轍を踏まないで関係性の更新を
していくのか?

リスクを回避し、関係を断絶して
いく事が出来るかetc…。

簡単に答えは出ないが考えて
おいて無駄にはならないかと。


物語は救いゼロのバッドエンド
ながらマルチェロの暴発、いや
爆発には強烈なカタルシスが
あった。

途方に暮れて静かな街を眺める
マルチェロに何がしかの達成感
は感じられた。
ツネイシ

ツネイシ