このレビューはネタバレを含みます
観るのがきつい映画でした。
人間の描き方が、私の身近には居ないのだが、嫌ぁ〜なリアリティを帯びてるなぁと。臭うんですよ。プンプンと。
作り手は間違いなくこの人間を知っている、目撃したことがあるなと。実在してるはずだと。
タイトル「DOGMAN」とは。
はじめは、犬と会話する様に意思疎通できるマルチェロ。逆らわずなんだかんだ服従する彼が「犬」なのかと思いましたが。
後半につれ、なんだかなぁ。
彼は「飼い主」だったのかな。
ジャイアンは凶暴だけど愛する「犬」だから助ける。コカインは「餌」なのかな。
犬に対する愛の深さは冷凍庫の件でわかるし、狂犬であっても手段をもって扱うこともシーンであった。犬に対する寛容さ。(冒頭の狂犬を世話するシーンはマルチェロとジャイアンの関係そのもの?)
終盤は裏切りに対して、「しつけ」をするわけだ。殺す気はなかったのではないか。
けどラストは彼がみんなに好かれてる、好かれたいという目的で死体を持ち歩く。これは彼がみんなに好かれる「犬」としての姿なのかと思ったり。
ニンゲンって怖いや。
重い感情が込み上げる、苦しい映画体験でした。