ドッグマンの作品情報・感想・評価

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「ドッグマン」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

どうしようもない現実は現実で、
お構いなしに時は進む感じの終わり方でイタリア映画らしい映画。

小鳥のさえずりのエンドロールは
あ~どうしよう~っていう感じの
なんとも言えない余韻でクラクラした。

主人公のただただみんなと仲良く現状維持の関係を望むあまり、へらへらした態度がイライラするけど、自分を見ているようで複雑だった。
イタリア語と演技
snatch

snatchの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

え、終わったか😑と…感想が出て来ず🤯予告編はナンバーワンの映画だったな! で終わりそうになりましたが、帰り道、監督は何故この映画を作ったのだろうとよくよく振り返ってみました…
ー 暴力を掴み見せる映画🎬
ご近所さんとのサッカーが楽しみな小柄なオヤジトリマー マルチェロ。犬を愛し犬に愛され、そして宝物の娘を心から大事にするパパ🐶 しかし、彼には娘に見せたくない部分もある。恐らく昔から一緒だった暴力男シモーネに抗わず、友達と思っていたいから金を分けてくれるのならとシモーネの犯罪を手伝い、身代わりだってする。いつまでたってもどうしようもない二人の関係かと思っていたら、爆音立てるシモーネの暴力の象徴のオートバイが黙しているのを見た時、マルチェロは初めて暴力を振った。この時から、ゼロだったマルチェロの暴力が始まる、それが一番怖かった。愛娘との愛情も勝てない、あんな優しかった男が自分を超えてしまった暴力。こんなことが、ありえない事ではない今の世の中が浮かんできて怖くなった。
でも、最後のマルチェロの表情は、何もかもを失った、俺は空っぽの人間になってしまったんだと思っている、と私は思いたい。マルチェロを演じた俳優さんは、今年観た映画の中では一番見応えがあった!
映像は凄くいいです‼︎ 広場も遊具も人も忘れ去られたような錆れっぷりと、人通り少なく乾いてざらざらした映像はなんだか西部劇っぽくてくぎ付けでした🤩
後で、実話に基づく話しと知って驚いた😮
なんだか、この監督の「ゴモラ」が観たくなってきました‼︎
river

riverの感想・評価

3.8
どこまでも乾いて、寂しげなコッポラ村の風景が強く印象に残っている。イタリアのマフィア、カモッラの息がかかった実業家コッポラ兄弟が開発に関わったことからヴィラッジョ・コッポラと呼ばれ、一時は栄えたが今では人影もまばらで閑散としているコッポラ村。

そんな村に暮らしているが、マルチェロは満たされた男だ。犬と娘と友達が大好きで、トリミングサロン「DOGMAN」を営む。獰猛な大型犬にもアモーレと話しかけながら手なづけてしまう。また、娘と協力しながら、コンテストで結果を残すこともできる。仲間たちとテーブルを囲み、サッカーを楽しむ。しかし、善人とは言いがたい。時にコカインの売買や盗みの手伝い等も飄々とこなす。結構世渡り上手なのかもしれない。

そこに不吉な影を落とすのが、暴力の塊のようなシモーネの存在だ。めったにお目にかかれない凶暴な人間で、おまけにコカイン中毒でもある。手のつけられない傍若無人さには誰もがうんざりしている。捕まってもすぐに釈放されてしまうから、仲間内では殺しの計画までささやかれてしまう。

そんなシモーネだが、マルチェロは友達だと思っている。シモーネの要求はエスカレートしていくが、もしかしたらマルチェロは獰猛な大型犬を手懐けるように、シモーネもコントロールできると考えていたのかもしれない。

しかし、物語が進むほど、マルチェロはシモーネに否応なく呑み込まれてしまう。なんでそこでそんな決断をするんだとマルチェロに焦れったくなることが何度かあった。しかし、マルチェロの判断を誰が笑ったり蔑んだりできるだろうか。あの暴力がはびこるチリチリと乾いた村で、どれほどの人が正しい行いをすることができるだろうか。あのとき、マルチェロは何をすれば良かったのか?その答えをまだ見つけられない。
実話だというので
パンフ斜め読みしたら
一番エグいとこをしっかり読んでしまったので
少し拍子抜け、というかある意味リアルだった

少し前に、ペット(アニメじゃないやつ)をみたので
同じ系統というか、犬だけかもしれないけど

ドラえもんのいない世界で
ジャイアンはほんとにいたらちょう嫌なやつだし
のび太?スネ夫?も嫌なやつだなー、と。
ほとんどの登場人物に感情移入できない。
行き当たりばったり、問題はあるのに、誰もそれをなんとかしようともしないで、破滅的なラストに向かっていく。
経緯にも結末にも、救いはない。

冒頭の吠える猛犬からして不穏。この、クサリにつながれた犬は主人公の悪友シモーネの象徴。
舞台となっているのは、イタリアの荒れた田舎町の風景。そこに、このシモーネという存在がいる、というだけで景色が不穏に見えてくる。
これは主人公の心象風景そのものである。

コンテストに入賞しても不穏。海に入っていても何か起こるんじゃないかと思えてくる。
本作は終始、不穏な雰囲気に覆われ、心休まるときがない。

それにも関わらず、どことなくユーモアがある。
これが、なんとも言えない、奇妙な味わいである。

犬はかわいい。
犬本人(?)は何かに必死だとしても、それを見る人間は、彼らの本心など分からず、いつも見下ろしている。
スクリーンを通して観る僕たちにとっては、主人公もシモーネも町の人々も、犬でしかない。
僕たちは町で見かける犬のように、彼らを見てしまう。
これがユーモアの根源ではないか?

カメラは登場人物のアップか、引いた構図が多い。特に後者の引きの絵が、ザラついた白黒写真にも似て見事。
みなみ会館の移転後での初鑑賞作品。

空虚な田舎町がマルチェロとシモーネの刹那的な共依存関係に酷くマッチしている。

DOGMANというタイトルがマルチェロのサロン以外に彼の人物像を様々な角度から表現しているのは興味深い。

犬を愛する心を持つマルチェロ。
負け犬としてのマルチェロ。
シモーネの忠犬としてのマルチェロ。
クライマックスにおけるアンチヒーローとしてのマルチェロ。

鑑賞直後は作品としてはあまり好印象をもてなかったが、色々と心のうちで整理を繰り返した後、ふとカタルシスを得ることが出来た。

何年後かにまた観たい。
街のみんなと仲が良い主人公のマルチェロが問題児として周囲から疎まれているシモーネに手を差し伸べるも思わぬ形で裏切られる。マルチェロの要領悪い感じも含めて最悪なのび太とジャイアンみたいな映画だった。なんでシモーネとそこまでして付き合うのか、もっと別の選択や行動できただろうにと若干イライラしつつも、目に見えた転落っぷりの続きが気になる。身代わり逮捕をされた後にシモーネの元へ約束の金を受け取りに行くも、軽くあしらわれる。目に見えた展開だったが、バイクを金属棒で殴りつけるシーンは結構痛快だった。

冒頭にマルチェロがブルドッグを世話をするシーンとラストにマルチェロがシモーネを手当てするシーンが重なる。結果的にシモーネは忠犬であったマルチェロに手を噛まれることとなった。ドッグマンってそう言うことだったのか。

荒廃したイタリアの片田舎と曇天模様がなんかクセになった。ワンちゃんの解凍は映像としてなかなか衝撃的だった。刑務所のシーンとかシモーネに対する感情の剥き出しとかなぜシモーネと縁を切らないのか、そこら辺もうちょっと見たかったかも。
ある種古典的なジャイアニズム。

犬に改造される話かと思ったら、群れで共生しないと生きていけない犬男の話だった。
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