か

誰もがそれを知っているのかのネタバレレビュー・内容・結末

誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

共同体が抱える表面化はしていないいくつもの問題点が、“些細な出来事”を契機に次々と浮き彫りになり、地獄のようなギスギスした空気が形成される流れはいかにもファルハディ的で満足できた。
これぞ同監督の真骨頂でもあるわけだけど、今作は他の作品に比べると事件の真相が少し弱かったような。

身内が犯人であることは早いうちから判明していたぶん意外性もなかったし、あの複雑な家庭内の人物関係をまざまざと見せつけられた後に犯行の動機が本当にお金だけですと言われてもイマイチ共感しにくい。
パコと娘の関係を利用したってだけで充分なのはわかるんだけど、身内の中で犯人を出すからには動機にももっと盛大に個人的な愛憎をぶつけてほしかったなー。

ペーパーハウスのデンバー役(ハイメ・ロレンテ)の方が出演しててちょっとだけテンション上がったからまあよしとします。
か