このレビューはネタバレを含みます
超安っぽいけどその手づくり感がレトロSFって感じで好みどす。
15年後とかにありそうな未来館で無理がない。低予算が故か。
風景は大して変わっていないが誰もが体にマシンを埋め込み、生体認証で管理が行われ、車は自動運転、空には監視ドローンが飛んでいるという世界で、IOTが進む現在、遠くない未来にこうなるかもしれない。
奥さんが死ぬ原因になる事故も自動運転社会になったらありそうっていうかああいうハッキング間接殺人もありそうだな。ああ怖い。
ていうかチャイルドプレイとやっていること結構似ているな(笑)。
IOTも考え物ですね。
そんなこんなで不随になった主人公は首にSTEMという謎のチップを埋め込まれて動けるようになり、犯人たちに復讐しに行く!って展開だけどそこで繰り広げられるアクションの斬新さとゴアの容赦なさがまあスゴイ。
主演のグリーンは数ヶ月間の訓練でA.I.に操られながら動く人間の動きを完璧に体得したらしい。
体の動きのキレと戸惑っている表情が見事に分離している。
機械らしく、カクカクしつつ躊躇のない動きで悪党を成敗していく様は痛快でもあるが少し不気味でこの映画のブラックコメディ要素、怖いSF要素を強化していてとても好みでした。
あのカメラワークもすげーぜ。
そんでナイフで相手の口がバックリ割けたり、エレベーターごと撃ちぬかれたり、ゴアが景気がいい。
主人公がトムハーディに似てるけどヴェノムで見たかったことをしっかりやってくれている。
STEMとの関係性もヴェノムや寄生獣と似てるんだけど、STEMがあんまり萌えキャラにならないのが微妙だった。あんなダンゴムシみたいなチップで声も無機質なんだからしょうがないかもしれないが。
そんでSTEMが萌えキャラ化しないのは最後に理由がわかるんだけどあまりにも後味悪いなこれ。ちょっと求めてる胸糞とは違う。それにラスボスらしいラスボスもいないし、なんとなくでもあの展開は読めてしまう。
デスウィッシュみたいにホラー監督が復讐ゴアアクション撮ったのかと思ったら結局これもホラーだったという。
最後は人間の尊厳を見せて欲しかったけどそうもいかないか。
ただ人格を乗っ取るだけじゃなく、幻想だとしても主人公に救いを上げるのはSTEMが彼に親愛の情を抱いていたからかもしれないな。
その他、くしゃみナノマシン攻撃とか、色々SFアクション要素も楽しい映画でした。
続編作ってグレイが人間としての尊厳を取り戻す展開欲しいな。
ちなみに突発的な嘔吐シーンがあるのでそこは信頼できる映画の証だと思います。95分って長さもいいね。