140字プロレス鶴見辰吾ジラ

アップグレードの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

アップグレード(2018年製作の映画)
4.0
【無機質なスタイリッシュ】

メジャーどころの資金を投入したアクションSFではないがゆえの画面から漂う映像的な不気味さ。アクションの非主観的な画面自体が動き、演者が躍動しない機械的なムーヴがクセになる。単純な復讐モノでなくシンギュラリティに対して、ターミネーター的な戦争を持ち出さない姿勢は、アレックス・ガーランドの「エクスマキナ」を想起させ、VRをチラつかせた後に待つ結末に、残酷な運命に対して人である葛藤と肉体の束縛を離れることと、そして肉体を得ようとする相互需要の一致が、未来に見える我々の安寧との取引のように映った。