七沖

アップグレードの七沖のレビュー・感想・評価

アップグレード(2018年製作の映画)
4.3
〝復讐が、〈起動〉するーー。〟
復讐ものであるということ、コンピューターが絡むということがすぐ分かる、作品のコンセプトを見事に表したキャッチコピーだと思う。

突然の襲撃により妻を殺されたグレイは、自身も全身麻痺の重症を負う。彼は体内にAIを組み入れることで、再び動ける体を取り戻して復讐に乗り出すが…というストーリー。

低予算っぽさはあったが、これは面白い!
グレイのちゃんと機械に見えるカクカクしたスピーディーなアクションシーンは見ものだ。
AIとは会話が可能で、戦闘時はグレイが体の支配権をAIに渡す…という、体は一つ、意識は二つのバディものという点も面白い。

自分はホラーやスプラッタ描写が苦手なため、『SAW』のリー・ワネル監督作品といことで警戒していた。痛いシーンもあるにはあるが一瞬でサクッと終わるので、そこは耐えられる範囲だった。

本作のスコアが一気に跳ね上がったのは、やはりラストのオチだ。
AIを題材にした作品の宿命かもしれないが、皮肉が効いていて思わず唸らされた。予想の上を行くラストシーンに、観終わったあとしばらく呆然としてしまった。
七沖

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