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アメリカン・アニマルズのKのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.3
「特別な存在になりたい」若者が、貴重な本を強盗する物語。よくあるストーリーだけど、それらの作品とは一線を画す。

本人や家族などのインタビューを交えることで、緊張感の中に悲しみと笑いを含ませている。その構成が、彼らの葛藤と薄っぺらさを同時に描くことに成功している。

何もせずに図書館を出た時に、スペンサーが感じる解放感にひどく共感する。「悪いことをせずに出てきた時は、最高の気分だった。太陽が輝き、新たなはじまりのようだった」とインタビューで答えている。

そのシーンは、音楽とカメラワーク含めて完璧だった。作品全体の思想性を高めている。

観ていくうちに、アホだと思ってた彼らの悲しさが自分のもののようになっていく。
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