KnightsofOdessa

アメリカン・アニマルズのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.5
[儚い青春の終わり×ケイパーもの] 70点

計画することから既に若気の至りになるのか、それとも実行に移してからそう呼ばれるのか。オーデュボン『アメリカの鳥類』を強奪しようとした四人の若者たちに対して馬鹿だのアホだのと罵るのは簡単だが、麻薬・万引き・未成年飲酒が蔓延っているアメリカで"スリルを求めて"という発想のもと産まれる事件としては、若気の至りの行き着く先として(周りから見て)理想的なものの一つではないか。

ただ、こういうのは計画してるときが一番楽しいと思うんだけど、その計画段階ですら既にぐだぐだなので、実行に移したらもっとぐだぐだになるだろうというのは想像の範疇。しかし、実際想像以上にぐだぐだで辛い。しかも、このぐだぐだ一挙手一投足によって青春が終わっていくのを眺めているようでひたすら苦しい。そして、絶妙に失敗してるのがまた辛い。青春の終わりが失敗した犯罪での逮捕か…人生そんなに上手くいかないよな
と思いつつ、最近の映画はそのへんやたらとリアルにするの好きだよね、とも思ってしまう。この映画は関係ないけど、やたらと歯切れの悪い映画が多いから気が滅入ってくる。現実が思い通りにならないのなんて知っとるわ。

また、再現ドラマと現実の犯人たちのインタビューが交互に配されている中で数箇所本人が再現ドラマに登場する場面があって、総計30秒ないくらいなのに、このエモさは凄まじい。パッケージものに収まらない強烈なシーンだった。
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