いのさん

アメリカン・アニマルズのいのさんのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.3
《そこにシビれる!憧れるゥ〜!》

(あらすじ)

ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと思っていた。
ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。
2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「オーシャンズ11」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。
作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れる。
普通の大学生が起こした普通じゃない実話。

(感想)

並外れた映像センス。
ただの犯罪映画ではなくて、実際の犯罪者を出演させて回想エピソードを映像化させるドキュメンタリー風な作品。
ただ、ドキュメンタリーの飽きっぽさは全くなく、ましてや焦燥感や不安感をかなり煽ってくるスタイル。想像以上に鼓動が昂ぶった。

人間は自分が平凡であることを悟り、誰しもが特別な存在になりたがる。
特に学生のそれは顕著であると思う。
自分はこのままこの生活を過ごしていたら何者にでもなくなってしまうのか、
決まった将来や先が見えない将来にある種の不安を抱き、変革がないことに焦りを抱く。
そんな学生時代を誰しも経験したことはあるのではなかろうか。

この4人の人物にはそれぞれの思惑があったに違いないが、変化しないことに恐れていたことには間違い無いのかもしれない。
ただほとんどの人は犯罪をするまでには至らないだろう。だからこそこの映画は学生時代の変革を恐れた思いをぶち壊すほどの破壊力があって凄い。

とりあえず気になった人は2分の予告編を見てほしい。それさえ見れば貴方も一瞬でこの映画の虜になるはず。
いのさん

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