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アメリカン・アニマルズのmimicoのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ドキュメントとフィクションの狭間を素晴らしい編集でつないでいる。映像的にもお話し的にも。

10年前だったら、ウォーレンの背中を押していたもしれない。面白いことを起こしてくれ、と。
今は、完全にスペンサーに止めて欲しかった。1度目、何も起こらずに終わって安心した。でも2度目は起こってしまった。起こしてしまった。

当時の高揚感、緊迫感、滲み出る後悔。

インタビュー部分ももしかして、演出されてるのかな?と思うほど、本人たちが凄い。役者なのか?言ってることも脚本に書かれているのか?

パンフレットの監督の言葉には、インタビュー部分を撮り終えてからドラマ部分を撮り始めたとあって、インタビュー部分は本人たちの言葉そのものでしかない。と語られている。

全部夢だったのかもしれない。全部嘘だったのかもしれない。という、語りの後でBJ本人が出てきたときは、思わず涙が出た。
紛れもなくこれは本当にあった、人を傷つけてしまった事件だったと思い知らされる。
傷つけられた人にとっても、傷つけた人にとっても、なくならない、事実。


ドキュメント部分とドラマ部分の撮り方は
全然違うけれども、インタビュー部分もきちんとアートディレクションされていて、ひとつの映画として完璧にまとまっている。ドラマ部分はインタビューへ繋がるギミックがめちゃかっこいいし、ライティングも超かっこいい。言葉と映像と音楽がガチャコーン!とミックスされて編集で観てる側のきもちを煽ってくる煽ってくる。
かっこいい、ワクワクする、映画というエンターテイメントを観ているという感覚から、被害者や家族の無言の表情で、一気に現実に引き戻される。

7年の懲役、出所してからの彼らの現状。
ラストシーン、とても短い言葉の中に凝縮された4人の「今」が映る。
フレームアウトしていく彼らを、擁護もできないけれど、軽蔑もできない。
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