フィクションの間にノンフィクションを挟み込むという独創的な演出(本人たちの顔つきがまた良い)が不思議な作品でした。
彼らは犯罪者でも何者でもない、ただの平凡な大学生として登場します。だからこそ、その目も当てられない間抜けさに懐かしさや恥ずかしさを感じるし、「彼らが想定した」以上の事態が畳み掛けていくうちに、きっかけひとつで自分もあんな道を歩んでいたかもしれない…という恐怖がどんどん増していきます。
この居心地の悪さ、ほろ苦さがこの作品の魅力です。
彼らが描いていた「映画のような展開」はことごとく現実の前に弾き返されていきます。画集強奪計画は、さまざまな映画で描かれる犯罪の中ではあまりにちっぽけで幼稚です。しかしながら、それゆえ彼らのその後の姿が虚しく、やり切れない気分にさせられました。