タカハラ

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうたのタカハラのレビュー・感想・評価

4.1
素敵でカッコいい音楽とハートウォーミングな家族のお話。
夢を諦めきれない、子供っぽい父親と、未来をしっかりと見据えて将来を描いている大人な娘。一般的な立場とは入れ替わっている関係性の妙による可笑しさと、場合によっては、やはり父娘であると思える描写もあったりと流動的な関係性が面白い。
『ハイフィディリティ』『はじまりのうた』『シングストリート』などに通じる音楽を通して描かれる、出会いと別れ、旅立ちの物語。
(音楽の良さで+0.1)

●良かった点
音楽がジャストミート!好みの音楽性+少しソウルフルな歌声。これは大好物。
サントラ発売は無いようだったが、Spotifyにあるようなので一安心。ヘビロテ確実。
物語は、ストレートで特に意外性があるわけではないが、短く纏まっていて、テンポよく見易い。敢えてじっくり見せない演出も良い。
何より、全ての過去や関係性をセリフや画で見せる事なく、音楽と歌詞に乗せて伝えている。言葉に出来ない想いを伝える音楽、その音楽を信じている、という事が充分に伝わってくる。
親子で紡ぐ音楽の確かなカッコよさ。この音楽に説得力がないと全てが台無しになってしまうが、その点は全く心配なし。
ラストのライブシーン。
世間で大きく話題になる事はないけれど、その場に居合わせた音楽好きには確実に刺さるというリアリティーラインも絶妙。
楽しそうに音楽で会話する2人には、目頭が熱くなる事必至、、繰り返し観たい。
役者陣の自然体の演技。
父親の仏頂面も、娘の笑顔もとてもキュート◎

●悪かった点
音楽性(インディーロック系)が好みでなければ厳しいかも。
筋立てが複雑ではなく、ストレートなので物足りないという人もいるかも。
バンドをやりたい、という気持ちを持った事があるかで見方も変わるかも。
タカハラ

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