アリスinムビチケ図鑑

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

3.8
109シネマズで鑑賞。

誰よりも我儘に、夢を諦めず真っ直ぐに生きた1人の男と、
彼を心から愛し支えて来た沢山のボランティアの人々のお話しです。

筋ジストロフィーを患い、20歳迄の命と余命を告げられたが、
自らボランティアを募り、42歳まで命の限り真っ直ぐに自分らしく生きた男、鹿野靖明さんの実話に基づくお話しです。


夢と希望を持ち続け、どんな時でも前を向いて進んで行く、鹿野さんの心の強さにグッと来ました☺️


"ボランティアと障害者は対等な立場。お互いに影響し合って生きているんだから"

"人に迷惑かけるのを恐れるのでは無く、
自分で出来ないことが有れば助けを求める勇気も必要"

"人は出来る事より出来ない事の方が多いんだ"

"後ろめたいなら嘘を本当にしちゃえばいい"

鹿野さんの放つ言葉はいつでも真っ直ぐで、実感がこもっていて、ハッとさせられるものばかりでした。


障害者だから、自分だけじゃ何も出来ないからと諦めてただただ死期を待つのでは無く、
やれる事はどんなに辛くてもし、やりたい事はなんでもする。

"英検2級を受けてアメリカへ行く!"
力強い目標を描き努力する鹿野さんの姿にも心を打たれます。

そんな風に生を謳歌し、ある意味生に貪欲な鹿野さんだからこその魅力に、沢山の人が集まり、家族とまで呼べる絆が生まれたんだと思います。

ボランティアの人達の大変さもきちんと描かれていますが、
苦痛感よりも鹿野さんを慕ってる、愛してる、支えてあげたい、一緒にいたい、
そんな純粋な気持ちから集まった人達のボランティアに励む姿が生き生きと描かれているのが素敵です。

実際よりはもしかすると美しく描かれているのかも知れません。
実際の現場はもっともっと精神的にも肉体的にも大変だったと思います。
病人の事を考えてしたはずの事が受け入れられなかったり、
お互いの気持ちに折り合いが付かなくてイライラしたりガッカしたり、
ボランティアの人達も色々な葛藤があったとは思います。

それでもボランティアの人達と鹿野さんとが過ごした"愛しく大切な毎日"を力強く美しく描き切ったこの作品は、
映画を観る私達の心にきっと刻み付けられて行くのでは無いかと思います。

お母さんとの事や、登場人物の心の葛藤や、コミカルに描かれていた部分や、心に残るシーンなど、
もっともっと書きたいことはいっぱい有りますけど、
止め処もなく雑然と纏まりが付かなくなりそうなのでこれで終わりにしておきますね♪

後は映画館でご自分の目で観て心で感じて来て下さい😊