piroko

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のpirokoのレビュー・感想・評価

4.3
自由が奪われてゆく
筋ジストロフィーと闘病しながら
自由に生きる、
鹿野さんという方のノンフィクション。
大泉洋がハマり過ぎて最高でした。
あの演技は彼以外の役者では
なかなか出来ないし、含蓄でないだろう。
なので、この配役で良かった。

人間模様を省みると人間関係というのは、
障害者の場合にかぎらず、
案外対等になるのが難しいもので。
時に、リアルな家族ですら
鹿野さんの言う「対等」を実現出来ず
苦労するものだ。

鹿野さんを取り巻く、
リアルな家族の複雑な心情と、
ボランティア家族の団結感と温もりと、
双方を行き来しながら、
ずっと人生において意識してきた
「対等なパートナーシップ」
「対等な家族像」
について、思い巡らしていた。

ほっこり涙しながらも、
自分自身の自己開示をこれだけオープンに
鹿野さんのように出来たなら、
対等な関係性の第一歩であることを
改めて感じさせられた。

自由を求めていても、置かれている状況に
遠慮してしまう瞬間は意外と多いから。

この映画を観て思い出されたのは、
起業してから意図せず周囲に迷惑を
かけてしまった時に
巻き込んだ人達に申し訳無さすぎて
何度も悔し過ぎて涙した日々のこと。。
迷惑かけるのが大嫌いだった
過去の自分を少しだけ認めてあげようと
思えた気がした。

家族が増える年の、
年初の映画にふさわしい映画を
夫と観に行けて良かった。
piroko

piroko