すとんこ

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のすとんこのレビュー・感想・評価

3.5
筋肉が徐々に衰えていく難病・″筋ジストロフィー″を患った男性の闘病生活をユーモラスに描いた実話って話☆

「人が生きていくということは、(大なり小なり)他人に迷惑をかけて生きていくということ」
という持論を堂々とブチ上げ、独自に集めたボランティアたちを、
名実共に手足のように気ままにワガママ放題使いまくる鹿野靖明(=大泉洋)の姿に、美咲(=高畑充希)同様にイラつきを覚えましたが、″命懸けのワガママ″を通す姿に徐々にではあるが「しょうが無いか」っと心のゆとりが持てるようになりました。

「二度と来なくていいよ!」なんて啖呵切ったのに、すぐに謝罪文を書いてご機嫌取りをするかわいい姿を見せる鹿野。ムカつくけど、なんか許しちゃうのはこういう所なんでしょね。わたくしならそのままグッバイしますが、美咲ちゃんは帰ってきます。エライ。

12才で難病が発症し、医者に20歳まで持たないでしょうと言われつつも、病院を飛び出し在宅療養で40才を越えるまで力強く生きたという事実が、難病を抱える人々に勇気を与えることになると思います。

障害者と介助者が対等に言い合う姿が、わたくし的に最初は違和感を感じてしまいましたが(ボランティアをこき使い過ぎだろ!とか、ボランティア側も結構言いたいこというよね、など)、次第にそれこそがあるべき姿なのかなと考えるようになりました。

障害者に対して、腫れ物に触るような感覚で接することがかえって可能性の芽を摘んでしまうことにもなるのだ、という考え方は目から鱗でした。

新たな価値観に触れられる、映画の持つ力を改めて実感出来る一本(* ̄ー ̄)☆



○キャスト○
鹿野靖明:大泉洋
安堂美咲:高畑充希
田中久:三浦春馬
高村大助:萩原聖人
前木貴子:渡辺真起子
塚田心平:宇野祥平
泉芳恵:韓英恵
鹿野清:竜雷太
鹿野光枝:綾戸智恵
田中猛:佐藤浩市
野原博子:原田美枝子
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