ミモ

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のミモのレビュー・感想・評価

3.5
筋肉が衰えていく病気、筋ジストロフィーの鹿野靖明の生き方とそれを支えるボランティアたちのノンフィクション。親や施設に頼らないで、有償無償ボランティアで自立生活をした。

私自身が福祉で仕事しているので、この事例は令和の現在でも驚き。この話が昭和であるということに、また驚き。障害があって、さらに重度の人が自立生活を送るなんて、日本の今の制度ではほとんど考えられないことだ。さらに映画の中では描かれなかったが、本当に結婚して離婚していたというのも驚き。
他人の助けを借りてしか生きられないのに、こうやってボランティアと真っ向から向き合って自分の要求を突き通していくことは、すごく勇気がいることだと思う。でも、やっぱりボランティア側も人間なので、ここに描かれてる以上に辛いことや大変さもあったと思う。
映画としてのエンターテイメントのために三角関係を入れていて、たしかにドラマチックではあったし、障害者の性の問題もなかなか他では描きにくいテーマだったと思う。ただ、恋愛や親子の情などでのお涙ちょうだい演出は、少し冷めた目で見てしまう部分もあった。
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