道草

読まれなかった小説の道草のネタバレレビュー・内容・結末

読まれなかった小説(2018年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

シナンはチャナカレの大学を出て故郷のチャンに帰ってくる。ムハレム(父親の教師仲間)と久しぶりに会う。ムハレムはシナンの父に金貨三枚を貸していて、早く返すよう伝えといてくれと言われる。
シナンの父は競馬や動物の飼育に金をつぎ込み、他のところではとてもけちである。
シナン、シナンの父、祖父の三人で井戸堀をする。シナンの祖父は、息子が水脈を見つけようとしているのを無謀だと言い、その上サボっている息子を見て怒って帰る。
シナンは祖父母(母方)を訪ねる。お金を助けてくれた礼をする。祖父母のもとにもムハレムが借金の請求に来ていたという。
シナンは町長を訪ねる。自分の本の出版のため出資してほしいと頼む。観光や歴史関連なら出資できるが、個人の回想録では法的に援助できないと断られる。町長はイルハミを頼ってみるといい、とシナンに言う。
シナンはイルハミを訪ねるが、月曜までいないと言われ出直す。
シナンはハティジェと再会する。これからどうするのか聞かれ、シナンは町を出て教職か兵役かだと言う。ハティジェは、この世のすべてが美しくまた近いようで遠い、と言って泣き出す。彼女は宝石商の家に嫁に行くらしい。木陰でハティジェはシナンにキスをする。
シナンは湖畔でハティジェの元彼、ルザと話す。ルザのハティジェに対するコンプレックスに触れ、掴み合いの喧嘩になる。
シナンは教職の試験を受ける。その帰りに古い戸棚で見つけた本を本屋で安く売る。本屋には作家のスレイマンがいた。シナンは彼に話しかける。観念的で冷笑的なシナンの態度をスレイマンはたびたび諌める。
シナンは教員クラブではなく、ギャンブルの胴元の店に来ていた父をなじる。家に帰って、母親と話す。彼女は夫が昔は優秀な教師であったことを嘆く。それでも彼女はシナンに、他の家よりは状況がましであることを強調するが、シナンは父が胴元の店に行ったことを勢いでばらしてしまう。
シナンは出版のための700リラを上着のポケットに入れておいた。少し目を離すと少なくなっていた。家族を疑ったシナンを、妹のヤセミンは非難して喧嘩になる。
シナンはイルハミに会う。イルハミは金持ちだが、面の皮の厚い人物だった。シナンとは話が噛み合わない。
シナンは父親と仲良くしているという、同級生のエクレムと話す。父親と仲良くするなと言うが、彼は聞く耳をもたない。
シナンは父から井戸堀に誘われるが、父さんの「ショー」にはうんざりだ、と言って断る。シナンの祖母はヴァイセル導師が、肉体的にまともにできない夫にスピーチを頼んだことを怒っていた。また、導師が夫から借りた金を返さないことをシナンに教えた。
シナンの父は、盗まれたシナンの金についてなぞかけをする。シナンは父が盗んだという答えだけは口に出せずにその場を去る。
シナンはリンゴを盗み食いしているヴァイセルに話しかける。ヴァイセルは改革派のナズミと論争になる。三人は宗教、運命、技術、個人の真理、などについてそれぞれの意見を交わす。
シナンは学校へ行き、父を訪ねる。電気代が止められるので、きょう入るはずの補修手当をくれと言うと、父は、まだ入っていない、と返す。
シナンは母に出版した本を渡す。母へのメッセージを見て、彼女は涙を流す。シナンは父が競馬の紙を持っていたと、母に言ったが、父によるとそれはいなくなった犬を探してもらうためのポスターだった。父は確かではないことを母に密告したシナンを責める。
シナンは東部へ兵役へ行き、帰ってくる。シナンの本はほとんど雨で濡れ、母と妹は本を最後まで読んでいなかった。退職した父は家にはほとんど帰らず、祖父の家で作業をしていた。本屋に行くと、シナンの本は一冊も売れていなかった。
父の部屋を訪ねると、父の財布があり、その中にはシナンが本を出版したことを報道する新聞の切りぬきが入れてあった。
シナンは父が建てた小屋を訪れる。父は羊を飼って暮らしていた。井戸はいくら掘っても水がでなかった。父はシナンの本を最後まで読んでいた。
シナンは井戸の方を見る。井戸のロープで首をつるシナン(のイメージ?)。父が起きると、シナンは水が出ない井戸を掘っていた。
道草

道草