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最後のランナーのmhのレビュー・感想・評価

最後のランナー(2016年製作の映画)
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「炎のランナー」のその後を描くハリウッド映画withチャイナマネー。
陸上競技は引退して、中国で布教活動してると、関東軍から嫌なことされるけど、国民党軍からは嫌なことされない。国民党軍は見たことのないきれいな軍服を着ている。ヘルメットなんか持ってたんかいわれ。
クリーンウォッシュされた国民党軍は見ててつまんねーね。
現政権の敵なんだから悪く描いてもいいのにと思うけど、中国的にはこのあたりもワンチャイナで処理してるのかもしれない。
中国の興行収入を見込まない映画会社はほとんどないだろうから、今後はクリーンウォッシュ国共軍ばかり見せられることになりそう。
岡本喜八の中支戦線ものに登場するうさんくさいけど、気持ちのいい連中が懐かしい。
そのまま太平洋戦争が開戦となり、欧米人たちは強制収容所に入れられる。
悪いやつがいるから悪い作劇法になってしまうのはある程度仕方ないけど、実際そんな悪いことされてないあたりに変なリアリティがある。リアルも極悪だった「アンブロークン」のワタナベ伍長はこちらにいない。
終盤になると日本軍もかつえてきて、柵に流してる電流を切ってやりましょう。物資の持ち込みに目をつぶる際のワイロにあずかりましょうとか涙ぐましい。日本軍は悪い設定をうっかり忘れてしまってて、全部横取りしないのがいいね!
そういえば「戦争と人間」でも電気柵は登場していた。ブレーカーあげるあげないがサスペンスを高めるのもこの映画と同じだった。もしかしてパクった? けどあちらは戦時捕虜の収容所だ。この映画と同じような敵性国民の収容所が舞台のスピルバーグ「太陽の帝国」はどうだったっけ? あっちは鉄条網だけだったような気がしたけど。
反日ヘイトが少ないのはよかったけど、そもそも、そんな面白くなかった。
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