江戸幕府 第5代将軍 徳川綱吉の時代。姫路藩主 松平直矩は幕府から豊後の日田への国替えを命じられる。これまでの国替えもあり藩の財政は苦しい中で、さらに減封まで言い渡される。そんな厳しい条件の中、国替えの指揮を執る引っ越し奉行に書庫版の片桐春之介が任命される。国替えの経験がない春之介は幼馴染で姫路藩御刀番の鷹村源右衛門や前任の引っ越し奉行の娘 於蘭などの仲間と共に国替えの準備を進めていく。
生涯で7回も国替えをさせられた実在の大名 松平直矩をモチーフにした小説が原作。
お国替え という参勤交代よりももっともっと大変なことを、何の経験もない書庫番のオタク君が任されちゃうお話。
規模は全然違いますが、引っ越しが大変なのは現代にも通じますね。苦渋の決断で物を捨てたりするのは重なるものがあるのかなぁなんて思ったり。ただ、やはり江戸時代。現代に置き換えて考えてみると、中々えげつないことしてます。人ん家に勝手に上がって、物捨てましょうねー って無茶苦茶だな(笑)。
主人公の人にものを頼む時の真剣な姿勢や謙虚さが非常に好感が持てました。人と話すのは苦手だったり、無理難題を押し付けられて最初は逃げちゃいたくなるけど、仲間たちと協力しながら、真剣に取り組む姿には尊敬の気持ちが芽生えました。みんなから好かれるタイプって感じですね。星野源はこういうちょっと情けなさげだけど、真面目な役がホントに似合います。
高橋一生や高畑充希、濱田岳など脇を固める役者陣のコミカルな演技も良かったです。ピエール瀧は今作の公開を待たずに逮捕されちゃって、何してんだよって感じでしたね。それから、先日急逝された中村靖日も出演しています。
時代劇ではあるものの、コメディ調でめちゃくちゃゆる〜い雰囲気。これがまぁとっつきやすくて、老若男女誰でも楽しめる作品だと思います。