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⼗年 Ten Years Japanのlpのレビュー・感想・評価

⼗年 Ten Years Japan(2018年製作の映画)
3.3
「10年後の日本」をテーマにした、5人の若手監督によるオムニバス。

香港で製作された同コンセプト・同タイトルのオムニバスが話題となり、それを受けて日本・台湾・タイが、同様のオムニバスを製作する国際共同プロジェクトが立ち上がった・・・という経緯から生まれた今作。日本をテーマにした今作は、総合監修が是枝裕和監督で、『愚行録』の石川慶監督も参加しているということで、「これは観逃せない」と思い鑑賞。

ちなみに、タイを代表する映画監督であるアピチャッポンも参加した、タイ版『十年』も既に完成しており、こちらは先日の東京国際映画祭で上映されていました。(残念ながら私は未見)

さて、今作の感想。
「高齢者の安楽死」「AIによる教育」「故人のスマホやPCデータの遺族への継承」「原発による大気汚染」「徴兵制」と、作品ごとに様々な「10年後の日本」が描かれる。内容が異なるので、テーマとの距離感や語り口も作品によって当然異なる。
設定したテーマに深く切り込む作品もあれば、テーマを背景に置いて、普遍的な物語を展開する作品もある。語り口もシリアスなトーンで映す作品もあれば、ポップに映す作品もある。
どの作品も一定の完成度は担保されているので、あとは各観客がどの作品を好むかの問題だろう。個人的にはテーマへの深い踏み込みと、「映画の中の10年後」と「現在」とのリンクの強さを感じた点で、『美しい国』と『いたずら同盟』の2作品が好き。

気になる方はぜひ。
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