幕のリア

⼗年 Ten Years Japanの幕のリアのレビュー・感想・評価

⼗年 Ten Years Japan(2018年製作の映画)
2.4
是枝プロデュースのオムニバス。
昨年公開された香港編を見逃しており、気になっていた。

1、2、4
近未来の切り取り方に既視感しかない。
低予算故の退屈な映像が見るに耐えず、優秀なアニメ作家にでも任せて欲しかった。
全編通じて美術、ガジェットが弱すぎる。
今から十年前にスマホの進化と普及を誰が的確に予見していたというのか。
ディティールが甘いのにその先のテーマや思想が整うわけがない。

「DATA」
十年の切り取り方が上品で3本目にしてようやく落ち着いて観ることが出来た。
杉咲花の目力と品に魅入られる。

「美しい国」
「愚行録」で随所に才気が見られた石川慶監督ならではの緊張感ある画力と太賀のメリハリの効いたチャラ営業マンは見応え充分。
長尺で10年後の徴兵や戦争や世論を覗いてみたいと思わせられる。
脇の甘い設定などは意識的かも。
短編としての完成度の高さに唸る。

是枝作品を一本付けてはバランスが崩れるのだろうが、プロローグとエピローグだけでもサービスして戴かないと。

2018劇場鑑賞102本目
幕のリア

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