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ダーク・インフェルノのhorahukiのレビュー・感想・評価

ダーク・インフェルノ(2017年製作の映画)
2.2
GOTGのドラックス似の食人集団が、廃墟のホテルで人食いながらワイワイ楽しんでるところに、主人公たちがウッカリお邪魔しちゃう系のスラッシャーホラー。

これは酷いですね…。
ヤバイ奴らに命を狙われるという単純なスラッシャーで特に社会派でも他のところに重きを置いてる映画でもないのに、演出にメリハリがなくてずっと平坦な良くわからない作品でした。

あらすじ…
出所したての主人公のオッサン。迎えに来てくれた親友のオッサンと2人で娘と妻の待つ自宅へ。でも自宅には娘がおらず、妻曰く、家の宝石とか全部盗んで勝手に出て行ったとのこと。探し回ってジャンキーなクソ彼氏と一緒にいるところを発見。車で連れ帰る途中に、なぜか車が横転。山奥だからケータイも繋がらない。仕方なく、近くにあった廃墟のホテルで一休みしようとするが…。

物語を進めていく上で、提示する情報とかその順番や段取りって凄く大事だと思うんですよ。本作で言えば、バラバラな家族関係だったり、廃墟に入らなければならない(食人族と出くわす)理由だったり。それを情報として画面の中でただ並列的にただ並べることって凄くダサいと思うんですよね。本作は、1から10までご丁寧に全部そのまま羅列してるだけに思えてしまって序盤で飽きちゃいました。

しかも、ただ並べるだけではなくて、必要性を疑うレベルの回想シーンも連発。全部要らないと思うんだけど…完全に情報過多。それでも、娘の現状を妻との会話とシンクロさせて見せる演出だけはスマートで好きでした。

食人族との初対面シーンも謎。コメディチックにしたかったんだと思うけど、特に気の利いたセリフがあるわけでもなく、主人公たちに焦りの表情が浮かぶわけでもなく…。食人族たちにはもちろんバレるんだけど、本当にただ出会っただけで、笑いも恐怖も何もなし。無の感情。

ホテルの中で食人族に襲われてるっていうのに緊張感も全くないんですよね。初対面シーンで人食ってるとこ目撃してんのに、全く慌てふためく様子なし。最初っからずっと同じテンションを維持し続ける主人公たちの鋼メンタルに感服。しかも同じ建物内に食人族がワンサカいるのに全く声のトーンを落とさず大声で話し続けるし、他の連中とはぐれたら、これまた大声で名前叫びながらウロチョロ探し回るっていう謎行動を連発。いや、同じ建物の中に人殺しが大勢いるんですけど…。この人たち食人族と仲良くなりたいんかな。

本作の様々な設定が、主人公と娘の親子関係修復に向けられたものであるはずなのに、そこすらほぼ描く気がないから、結局ほとんど全ての設定が意味なくなってしまうという謎な構成も残念なところ。私には魅力がわからない映画でした…。
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