このレビューはネタバレを含みます
ルメートルの原作は未読。脚本、演技、演出、美術が素晴らしくて見惚れました。
洗練されアーティストらしいエキセントリックさを持つエドゥアールと垢抜けず小心者のアルベールの対照的な2人と孤児のルイーズの疑似家族ぶり、その中の一人の語りで進む形式がインタビューウィズヴァンパイアを髣髴とさせました。一見振り回されてる人物が物語を大きく動かしているのも共通。
シーレやコクトーなど色々な芸術家のエッセンスをエドゥアールに投影して特に場面ごとにエドゥアールの心象を表現する仮面が素晴らしい!演じたナウエル・ペレーズ・ビスカヤートはこれから大きな役演じるでしょう。眼と身体だけの表現は美しいと同時に戦争が人の心や身体や国をどれだけ傷つけるか迫ってきました。
ラスト、エドゥアールがあの選択でなければ満点だったのにって凄く悲しい気持ちでいっぱいでしたが思い返したらエドゥアールは計画時点から新天地に行く気はなかったなと。
あとキャラクター良かったのが役所のおっさん。賄賂に靡くと見せかけて〜のあたり痛快でした!
ストーリー運びが秀逸でビジュアルも美しくキャラクターもしっかりしてるのでミュージカルに向いていると思います。エドゥアールの歌もありで。