メタ壱

書くが、ままのメタ壱のレビュー・感想・評価

書くが、まま(2018年製作の映画)
3.8
女子中学生・松木さんは学校でイジメにあったりして沈んだ毎日を送っているけれど、その気持ちを声に出して人に伝える事ができない。
口に出したい気持ちを文字としてノートに書き付けていた彼女は、保健室の先生との出会いを通して少しづつ変化してゆく。

中学生の女の子の青春物語だけれど、その年代から大人になった人にまでじんわりと染み込んでくる普遍的なテーマの物語。

みんなが白くて、みんなが黒い部分を持っていて、だから全部真灰色で、誰もが何かに苦しんでいて、言葉は持っていてもそれを他人に伝える事が出来なくて、世の中はそんな人々が緩やかに強く、そして歪に繫がっている所。

そんな世界でも大切な出会いはあって、そういう人に逢えた時、本当の意味で人と繋がれた時、相手を思う気持ちは例えそれが上手く表現出来ないものだったとしても心の中に沈殿していた言葉は相手を救い、自分に力を与える。

その言葉/気持ちは、それがどんなものであれ誰にも否定出来ない大切なものだし、大人になってそれが過去のものになったとしても、その時の自分が抱いた大事な何かは永遠に尊いままなのだと思います。

だから、その言葉を凝縮しメロディに乗せた“音楽”は人の心に響く。
そうやって成長し、変化してゆく人間の一生というのは音楽のアルバムのようなものなのかもしれません。
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