KnightsofOdessa

アースクエイクバードのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

アースクエイクバード(2019年製作の映画)
3.0
[で、結局"地震鳥"って?] 60点

写真を撮ることは魂を削ることであり、捕らえて束縛し続けること。カメラレンズを介して存在する二人の異国人はペルソナ構図とレズビアン的幻想で結び付き、鏡像関係に置かれる。その対比関係に映画として最も効果的に使われるのが日本語だ。ヴィキャンデルの日本語は驚くほど上手い。会話や間合いも完璧だが、一番は短い返事の抑揚だろう。盆栽貰ったときの返事とか、普通に聞き惚れるレベル。普通にTIFFで行くチャンスあったのに結局一般公開初日に行くとかアホとしか言えないな。会いたかったっすな。

とはいえ、キャラの造形はあまり上手くない。子供の頃にレイプされた経験があるのに、それを誘導するような質問をする人間などいないし、初対面の刑事に自分の奥底にある最悪の記憶を全く関係のない種明かしとして話す人間もいないだろう。2時間に収めるためなのか、人物の味付けに使う挿話がどれも性急で、設定をそのまま喋ってる感じにしか見えなかった。残りの二人にしたって、ヴィキャンデル視点のパラノイアエピソードに時間を割きすぎて、我々の中に彼らの像が形成されず、種明かしされても"そうですか"としかなれなかった。

富士山や東京タワー、温泉、和服、日本家屋などベタな日本描写でニンジャ好きな外国人を満足させつつ、ただのエキゾチックジャパン紹介ものとして終わらない精神劇にまとめ上げた点は評価したい。あと、1989年のハズだけど、多分クラブの階段に『パルプ・フィクション』のポスター貼ってあったよね?