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アースクエイクバードのyumのレビュー・感想・評価

アースクエイクバード(2019年製作の映画)
3.7
アリシアの静謐な瞳が多くを語りかけ、静かな演技にものすごく引き込まれた。ストーリーの細かな疑問は彼女の演技が消去してしまい、ラストシーンまで突っ走る。最後の表情に沢山の感情が溢れていて最高だった。
彼女にとっての異国の街で、すごく日本的な嫉妬の感情や、伴う行動が、最高の演技で表現されているのがとにかく新鮮。海外の人が話す流暢な日本語としてもすごい再現ぶり。セリフの意味と感情の起伏と大変だったろうと想像する。

過去から人に心をなかなか許せない彼女と、謎めいたカメラマンの出会い。ゾワッとするミステリアスでサスペンスフルな一瞬もあり、ビジュアル、音楽とも東洋的な魅力に溢れていた。
死につきまとわれる感覚を持つ女性を巡る、数奇なラブストーリーでもあり、スェーデンの森や、東洋のスピリチュアルさも興味深い。

80年代の終わりの日本が舞台の映画を、今のプロダクションが作ろうとしたのが面白い。リドリースコットがらみなのもサービスで良い。
文化詳細どうこうより映像美的センスが勝った。
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