このレビューはネタバレを含みます
欧米の目を通して作られた、舞台が日本の映画、最新版。
「ブラック・レイン」「ロスト・イン・トランスレーション」「バベル」「キル・ビル」「ウルヴァリン:SAMURAI」とか、他にも沢山のハリウッド映画で日本(らしきロケーション)が登場したけれど、日本で育った人間からすると「ここはどこかな?」ということが多い。
これは外国人の目線を通すと風景の切り取り方が違うということもあるけれど、「こんな店はないだろ」というシーンにでくわすことが多くて毎度当惑する。
「ロスト・イン・トランスレーション」の謎のカラオケ屋だったり、「キル・ビル」のやたらに広い飲食店だったり、「ミスター・ベースボール」の変な屋台も印象に残っている。
ああいう時に思うのは、日本が変に捉えられていることに対する憤りとかでは全然なくて、日本が舞台なのに「こんなものやこんな場所はない」と進言できるポジションに日本人スタッフがいないことへの寂しさなんだなあ。
だから、最近では日本が舞台になっていても「これは架空の日本によく似た国」というぐらいに思っている。和風ファンタジーのノリだ。
で、「ジェイソン・ボーン」や「トゥーム・レイダー」で記憶に新しかったアリシア・ヴィキャンデルが主演だというだけの軽い気持ちで見始めたこの映画で、見覚えのある電車と御茶ノ水が出てきて、「おや、日本によく似た国が舞台のようだゾ!」と、驚いた次第。
まあ、それ以外のトピックはあまりない映画だった。アリシア・ヴィキャンデルの日本語はとてもキレイだった(でも、肝心な終盤のシーンの台詞は聴き取りづらかった)けど、それで映画がすごく面白くなるというわけでもない。EXILE周りの人(ちょっと前のポッキーのCMで見覚えがある)が出ていることでもどうとも思わない。
なぜか刑事は日本語が不自由だったり、禎司の部屋が日本ぽくなくてとても広くていいなーと思ったり、少しずつ変なところはあったけど、全体としては不出来なサスペンス映画でした。初登場シーンから禎司は怪しさしかなかったしな。
あと、なぜ旅行先が佐渡だったのだろう。流刑地的ななにかを暗示したかったのかな。