ジャン黒糖

キスから始まるものがたりのジャン黒糖のレビュー・感想・評価

キスから始まるものがたり(2018年製作の映画)
3.1
『ホワイトハウス・ダウン』『死霊館』の主人公の娘役で印象的だったジョーイ・キング主演のNetflixオリジナル・ティーン向け青春映画とあって、1作目が配信されたときからそこそこ興味あったけど観てこなかった本シリーズ。
気付けば3作目まで出ていたのでついにシリーズ一気見観賞!

【物語】
南カリフォルニアに暮らす16歳のエルとリーは生まれた日が一緒で、母親同士も親友だった。
2人の間には”親友のための厳しい規則”としていくつものルールがあり、そのなかには「ルール9:親友の親族には手を出すな」というルールがあった。
しかし、年頃のエルは数年前に母を病気で亡くした悲しみから立ち直り、そしてリーの兄でありいつの間にか色気に満ち溢れたノアに惹かれてしまうのだった…。

【感想】
・良かったところ!
ジョーイ・キングがかわいい!あのホワイトハウスダウンのときと比べると別嬪さんになったのう。
冒頭のエルとリー、そしてノアがどんな人生をこれまで歩んできたかとスピーディに見せるテンポの良い始まりもよかった。
鈴木あみの「BE TOGETHER」ってアメリカでカバーされてたんだなぁ。


・駄目だったところ!
エルとリーは2人だけのルールをいくつも決めているけれど結局そのルールっていうのがなぜ16歳になった今もそこまで重要なのかその背景が描かれない。
きっと、幼い頃に2人にとって物凄く重要なターニングポイントがあって、それを乗り越えた鍵がルールにあったんだろうなぁ、、と思って最後まで観ていたら別にそんな描写ない!!笑

そのため、なぜそこまでして彼ら彼女らはルールを徹底して守らなければいけないのかと言う説得力に欠く。
幼いころに立てたルールに10代なって縛られてるようなら、そんなルール破っちゃえばいいじゃん!

また他にも、リーのお兄ちゃんであるノアは喧嘩っ早いことで校内でも有名だけど、なぜすぐ激情してしまうのか背景は描かれない。
そこが描かれないため、その後「エルと真剣に付き合う」と口では言うが元々の性質である喧嘩っ早さに改善が見られない、というか別にその要素がその後に活きてこないので本当にエルにとって信用できる男なのかって言うところが説得力欠けてしまう。

ヒロインが不良の年上男子に惚れたり、嫌味な女子学生3人組がイケメン男子に目が無く噂話が好きだったり、とまるで10年以上前の学園青春映画を観ているような気になってしまった。

そもそもこれは単純にアメリカの学校制度について気になったところなんだけれどよくアメリカの学校では最後の夏休みになってから付き合うカップルが描かれることが多い気がしており、夏休み明けたらもう新学期の生活が始まって、なかには遠い大学に行かないといけない人も出てくるはずなのになぜそこまでして夏休みになってから付き合おうとするのか在学中に付き合おうと思わなかったのかって言うところがいつも気になる。
そんなかりそめの関係を望むのならなおさら信用ならん笑



んーという訳でよかったのは冒頭のワクワク感くらい、か?笑
ノア、リー兄弟の母親であり、エルの心の支えとなるミセス役を演じるは、『すてきな片想い』『ブレックファスト・クラブ』など、ジョン・ヒューズが手掛けた80年代を代表する青春映画で主演を努めたモリー・リングウォルド!というのは、わりと作り手も意識されたキャスティングだろうなぁ。と思いつつ、だとしてももう少し青春映画の目指す視座として現代アップデートしてほしかったなぁ。。。
ジャン黒糖

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