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騎士の名誉のDKのレビュー・感想・評価

騎士の名誉(2006年製作の映画)
3.0
セルバンテスの小説に着想を得てドン・キホーテと相棒サンチョが2時間カタルーニャの大地を彷徨い歩くさまを描く。2人のやり取りが完全に映画の中心なのだけど、それとなくユーモアのあるやり取りは緩慢な構成の中でオアシスのように感じられるし、二人の関係性の描写は絶えず興味深い。
自然と同化した視点からのカメラワーク(手前の菜の花畑が背景として重なるように奥行きのあるショット、低い位置からの上向きのショット)など抜群のセンスに脱帽することは多かった。監督が仰っていた両義性を見抜くほどの能力が無いのが残念だが、底知れぬ意図が感じられる(ような)映画はやはり鑑賞後の充実感が違う。
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