ほのか

マックイーン:モードの反逆児のほのかのレビュー・感想・評価

3.8
すきな海外俳優が多くなるにつれて賞の授与式をみるようになって、コレクションも有名なやつぐらいは目にとまるようになってきた。そんななか出逢ったドキュメンタリー、"MacQueen"。

まあでも実際ブランド物にはそんなに明るくないのでアレキサンダーマックイーンの名前ぐらいしか知らなかった。このドキュメンタリーを観て、ブランドのことよりも"リー・アレキサンダー・マックイーン"というひとりの人が、自分の才能とどう向き合ったのかを知ることになった。
ファッションショーの服って自分のような平々凡々な庶民からするとなんでこれがこうなってんの?ギャグ?って思う服が多いけど、全ては芸術作品だからで片付くことだった。デザイナーは服を作るという手段を介し作品とそれを魅せる世界を創造する。それがとてつもなく巧く、どのデザイナーとも違った世界を持ちそれの世界の表現で人を圧倒してきた人がリー・アレキサンダー・マックイーンだった。彼自身は自分のことを誰の意見も気にせず誰からも影響されないデザイナーであると言い、そして普通でありたいと願い続けた。そこが微妙なズレの始まりだったのではないかと思う。服が売れ名が広まるにつれ、そうあり続けるのは難しくなっていく。ひとりの人間の中で自分と業界のバランスを取り続けることの難しさを観るドキュメンタリーだった。