アレクサンダー・マックイーンの死の知らせを聞いた時、
ガッーンとなりました。
2010年、まだ40歳だったマックイーン。
しかも自死を選んだことはとてもショックでしたが、
本作をみてマックイーンはコレクションの度に魂をすり減らしていたんだなと
分かりました。
マックイーンを輝かせたファッションが
マックイーンを追い詰めていたのです。
ケイトモスのフォログラム映像のシーンや
アルマジロブーツや
ロボットが白いドレスを着たモデルに色を浴びせるなどの伝説となったコレクションはリアルタイムでは観てなくて後追いでしたが
みなぎる反骨精神が突出していました。
10代のころ、母の勧めでサヴィル・ロウの門をたたき高級紳士服の基礎を身につけて
ロメオジリの元で働き、イギリスのセント・マーチンズ美術館学校で修士号を取って羨むような順風満帆な経歴も
ファッションに対する情熱があればこそ。
そして、根底にある反骨精神がアレクサンダー・マックイーンを、彼の作り出す服を
かたどっていきました。
全神経をつぎ込んで作った服も
酷評されて辛さを引きずりつつ
次のシーズンの服も考えるなければならないので、それはそれは、すり減ります。
そんな中で友の死と母の死で
マックイーンの心は折れてしまったのかな。
若いころのエピソードにあるように
ジャケットの芯地に悪口を書ける余裕が
あったら違ったのかな。
今回、ボウイ好きとしては楽しみにしていたボウイとのエピソードはなくて
少し残念でした。
ユニオンジャックのジャケットのエピソードも知りたかったなー。
マックイーンの右腕のサラ・バートンは
キャサリン妃のウェディングドレスをデザインした人で
今のマックイーンのブランドを支えています。
アレクサンダー・マックイーンのトンがった部分は丸くなりましたが
精神は受け継いでいると思います。
観終わってから数日たってようやく自分自信の気持ちが見えてきました。
マイケル・ナイマンのサントラも良かったですよ。