金子

マックイーン:モードの反逆児の金子のレビュー・感想・評価

4.0
稀代の天才デザイナーと呼ばれたAlexander McQueen。
彼の洋服は常識を悉く破壊し、異端児とまで呼ばれる。
順風満帆だった彼のデザイナーとしての生涯は、2010年に自らの意思で命を絶つという形で終止符を打つことになる。
このニュースは世界中を駆け巡り、多くの著名人が彼の死を悼んだ。
それから、10年の時が流れようとしている時にこの作品が発表された。

今までの彼を撮影した膨大な量のフィルムと近しい人のインタビューを根幹としてこの作品は作られています。

そして、ファッションショーの概念を悉く覆し続けたMcQueenのコレクションの映像も収録されています。
洋服とは、量産される芸術作品であるという事を改めて思い知らされる彼のコレクションは、ファッションショーと言うよりは最早舞台芸術でありました。
衣装を成立させる為の舞台なのか、舞台を成立させる為の衣装なのか?
ファッションを生業にしている人間ならば、前者であるべきなのですが、McQueenは間違いなく後者であったと言えます。
ただ、自分の作品を多くの人間に手にさせるためにはアパレルという手段が都合が良かったのだとさえ思わされる。

そんなMcQueenの作品はいつも刺激的であり、多くのデザイナーに影響を与えた。
彼の生涯を知ることの出来る貴重な作品だと思います。
金子

金子