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アラジンのニニのレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
3.0
アニメ版に思い入れが有りすぎて無理だった実写版『美女と野獣』から2年、『アラジン』の実写版を観て思ったことの1番はジャスミンを演じたナオミ・スコット嬢、彼女がベルだったら良かったのに。
少数派みたいだけど私と同じくエマワトソンがミスキャストだったと思ってる勢の意見を聞いてみたい。
凛として溌剌とした美しさ・大人っぽさに声量と歌の上手さで、私のベルはこっちです。
逆にジャスミン役はもっとエキゾチックでも良かった。
最後の結婚パーティーの場面からエンディングに向かう流れの途中センターで踊ってたダンサーさんくらい。

事前に公開された青いウィル・スミスを見た時に期待値が爆上がりした派です。
思った通りのナイス配役でした。
アニメ版で1番好きな『アリ王子のお通り』のシーンがめちゃ豪華絢爛で楽しいパレードに仕上がっていて嬉しかったし、魔法の絨毯のキュートな動きもアニメをきっちり踏襲していて好印象。
絨毯がアラジンをヒョコッと跳ばしてキスをお膳立てする演出も好きなので、こういう些細だけど重要なところを外さないでいてくれると、それ以外のアレンジも受け入れ易いですね。
ジーニーにもパートナーと生きる幸せを用意してくれたところにスタッフの愛を感じます。
ずっとランプの中で1人ぼっちだったからね。

ただ、ジャスミンはアニメ版でも意志のある自立心の強いお姫様で、“王子様に見初められてめでたしめでたし”という旧来のヒロイン像とは違っていたと思う。
なので「女に求められるものは美しさだけ。意見は不要」というあまりに直接的でステレオタイプなフレーズでのダメ押しは陳腐過ぎて余計に思えた。
そこまで判りやすくしないと伝わらないほど、現代の視聴者は鈍感かなぁ??

そんなジャスミンが力強く歌い上げるソロ曲『Speechless』がどうにもアランメンケンぽくなくて。
なんとなく『グレイテストショーマン』のザックエフロンとゼンデイヤのデュエット曲『Rewrite The Stars』みたいだなー?ひょっとして今回の新曲はアランメンケンじゃないのかな???と思っていたら、まさにアランメンケンとグレイテスト~の歌曲を担当したパセック&ポールの共作とのこと(!)
アランメンケンご本人は気に入ってるようなので文句は無いのですが、アニメ版からの曲と並べるとこのパートだけ異色過ぎて別の映画を観てるようでした。

字幕版を観たけれど、アラジンのちょっと癖の強い歌声を聞いて吹替キャストに中村倫也さんが起用されたのが理解できる気がした。
私はどうしても彼の声がアンガールズ田中さんに聞こえてしまうけれど、悪くなさそう!

《SCREEN7》

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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