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アラジンの花のレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
3.9
2019.6.24

アニメバージョンのアラジンは「捉われ」がテーマになっていて、登場人物の誰もが捉われている(アラジンとジャスミンは身分や生まれに、ジャファーは自分の野心に、ジーニーはランプに)とらわれから自由になる過程が物語の大まかな筋 ジャスミンは自分自身の行動(外出など日常の狭い範囲のものから、結婚など自分がどうしたいかを決める権利)に自由がないことを嘆き、タイムリミットが迫っていてかつとりあえず結婚しろ!っていう空気に「愛がなくちゃ」やだ!ってゴネる映画だったけど(でも、アニメのアラジンがディズニー映画で一番すき、登場人物の表情、特にアラジンとジャスミンの恋する表情がとにかくすごすぎる ジャスミンが百戦錬磨のいい女なので最高・・・会話の遊びの中でアラジンに本心を言わせたり、初めてキスされたあとの部屋に帰るまでの空気のため方とかやばくないですか?あとそもそもディズニープリンセス映画なのだけど、映画のタイトルもアラジンだしプリンセスメインじゃなくてどっちかっていうと群像劇的なところが好き)

映画バージョンは、そもそも女性が生きる上で結婚を前提に人生が進むのっておかしくないですか?っていうディズニープリンセス映画の「幸せ」の定義をぶっ壊していく最高の映画だった・・・ようにおもう 人間をポストイットで貼りつけた属性で構成されているとしか考えられない人、たまに出会うと怖くておもしろいのだけど(それは男から女だけに限らず、女から男、女から女、男から男も含め)、ジャスミンを「女」のポストイットが貼られた一つの入れ物にしか考えていない人物の暗喩がジャファーなのが秀逸すぎませんか?しかも、その考えでお願い事の一つ目で「国王にしてください」を願ってるけど、地位と肩書きを手に入れても中身が付いてこないのをきちんと映画の中で見せてるのもすごい さらにはそういう人間に対しての侮辱的な考え方とか、こうしていこうよ!っていう提案をディズニー映画に置き換えて、話の筋を変えずに根幹のメッセージを入れ替えてきたのがすごすぎてウエ〜〜〜〜って言ってた あと細かいけど、アニメバージョンだと「ダイヤの原石のような男」って言ってるんだけど、今回のは「ダイヤの原石」って言って男に限定してないのも趣旨にあっていてよかった すごく今風の映画で泣いちゃったよ〜〜〜え〜〜〜ん 
雪山に飛ばされたシーンでめちゃくちゃ寒そうなわりには体のフットワークキレッキレなのがウケた あと謎の顔のアップのカットはなんだったんだ?そして歌も踊りも最高 金をじゃぶじゃぶ使ったあとと同じ気持ちよさがある あとこれ監督ガイリッチーなんだ・・・
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