アキラナウェイ

アラジンのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
3.4
参ったなぁ。
僕はこの映画を観て、高揚して何かを語る程のものを受け取ることは出来ませんでした。

突き詰めて
突き詰めて
何度考えても、出てくる答えは同じ。

アニメーションの方が良い。

どれだけウィル・スミスがランプの魔人ジーニーを好演していても(実際彼はこの難役を見事に演じている)、ロビン・ウィリアムズが命の息吹を吹き込んだアニメのジーニーには敵わない。

彼が最初であり最高だった事実は変わらない。
他の者の追従を許さない程、最高だったのです。
彼の声の演技はジーニーというキャラクターを何倍にも膨らませる事に成功したから。

最早超えられないのに、なぜ作る意味があったのだろうと思ってしまう。それを言っちゃあ、元も子もないのだけど。

挑戦する事に意味があるのか。
そうか、そういう捉え方も出来る。

「アラジン」という物語は、文字通りアラジンが主人公で、美しいジャスミンがヒロインだけど、ジーニーが全てであり、ジーニーが居なければ成立しない物語なのです。

ロビン・ウィリアムズという正解がわかっているのに、ウィル・スミスで実写化する意味を何度も自問してしまう。

ジャスミンを演じたナオミ・スコットは息をのむ程美しいし、虎のラジャーの気高く可愛い仕草にモフモフもしたくなる。

それなりに楽しめるけど!

この映画を観て気付いたのは、自分が如何にアニメとしての「アラジン」を愛していたかという事。

秒単位で姿を変えて声色を変えて、めくるめく煌びやかなショーを魅せてくれるジーニーがとにかく好きだったし、ジャスミンの父、国王サルタンの可愛らしいルックスが好きだった。ジャファーの術中にはまり、目がトロンとしてしまう姿とか最高だった。

そう、アニメこそ最高だった。

音楽が良いのは勿論の事で。1992年ですでに確立していた音楽をもう一度歌われても、最初の衝撃に勝るものはない。

「美女と野獣」を長らく敬遠している自分のスタンスはあながち間違ってはいなかった。

映画として面白くない訳じゃない。
良く出来ている。

ただ、アニメの方が良いという結論が変わらなかっただけ。

嗚呼、それでもジョン・ファブロー監督作「ライオン・キング」にも興味を惹かれている。
どうしたものか…。
悩ましい。