MasaichiYaguchi

ペット・セメタリーのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(2019年製作の映画)
3.3
人は掛け替えのない最愛の存在を亡くしたら、ギリシャ神話のオルフェイスのように冥府下りしてまで取り戻したい衝動に駆られる。
このところ立て続けにスティーヴン・キングの原作小説がハリウッドで映画化されて公開しているが、本作は1989年に日本でも公開された映画化作品を現代的にリメイクしたもの。
1989年版にしろ本作にしろ共通する三つの要素、「家族愛」「死」そして、この二つに振り回されて“禁忌”を犯す「人間の愚かさ」、これらが有機的に絡まって作用して悲劇を生み出していく。
だから、本作の後味は近年の公開映画の中で突出して悪い。
原作は1983年に発表されたが、それもスティーヴン・キングの妻が発表することに反対して延び延びになった挙げ句らしい。
曰く因縁の背景には情け容赦ない展開と、人として越えてはいけない“一線”を描いていることにあると思う。
主演のジェイソン・クラーク、エイミー・サイメッツ、ジョン・リスゴーと演技派キャストたちが、緊迫感のある展開を更に張り詰めたものにしているが、何といっても、娘のエリーを演じたジェテ・ローレンスの前半と後半での演技のギャップには圧倒される。
ある意味、「エクソシスト」以来の衝撃といって良いと思う。