河豚川ポンズ

ジュマンジ/ネクスト・レベルの河豚川ポンズのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ネクストレベルというより追加コンテンツみたいな映画。
たぶんSONYもここまで1作目があんなにヒットすると思ってはいなかったのか、突貫工事で続編しました感がすごかった。


呪われたゲーム「ジュマンジ」から無事脱出し、そしてブラントフォード高校を卒業したスペンサー(アレックス・ウルフ)、べサニー(マディソン・アイズマン)、フリッジ(サーダリウス・ブレイン)、マーサ(モーガン・ターナー)の4人。
それぞれが自分の夢を追いかけて過ごす中、スペンサーは学業よりもアルバイトに追われる平凡な日々に嫌気がさしていた。
恋人となったべサニーとの遠距離恋愛もうまくいっておらず、ますます疲れ切ってしまう。
一方で他の3人は久々に再開することになり、なかなか返事のないスペンサーに会いに家を訪ねることになる。
訪ねてみるとスペンサーの祖父のエディ(ダニー・デヴィート)とその友人のマイロ(ダニー・グローヴァー)がいたが、肝心のスペンサーはどこにも見当たらない。
すると、家の地下室から聞き覚えのある音楽が流れてくる。
何と地下室には壊したはずの「ジュマンジ」が修理されて再び起動されていた。
理由は分からないが、スペンサーはまたこのゲーム中に捕らわれてしまったと考えたべサニーたちは、スペンサーを救うために再びジュマンジに挑戦する。
しかし、ゲーム機は動いているものの一度壊された影響で不具合だらけ。
すでにべサニーたちが知っているものとは大きく変わっていたのだった。


前作「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」で破壊したはずのジュマンジが、なんやかんやあってパワーアップして…、って本当にパワーアップしてるのだろうか。
キャラクターも増えて新しいギミックや仕掛けも出てきはしたものの、やってることは結局前と同じ。
何ならジュマンジを通して解決するスペンサーたちの問題も、マーサと寄りを戻すというふわっとしたテーマ、それもふわっとした感じで解決してしまう。
せっかく命からがらゲームクリアして脱出したのに、どうしてそれを修理してプレイしたのか、スペンサーの動機も自分に自信を持てるブレイブストーンでいたかったからとイマイチ弱い。
何のための前作だったのか、そして何のための続編なのかが明確じゃないから、ストーリーに深みがない。
おじいちゃんコンビのエディとマイロの仲直りの話は悪くないけど、それならそれをメインテーマにしてもっと深掘りすればいいのに、それも中途半端に終わってしまった印象。
続編というよりも前作の延長線上に浮かんできた話を束ねて1本にしましたとする方が正しいのかも。

ストーリーはぼんやりしてるけど、それでもキャスト陣はぼんやりせずにしっかりお仕事してくれてます。
相変わらずロック様はロック様でユーモラスでかっこいいし、ケヴィン・ハートとジャック・ブラックも前作からプレイヤーが変わったことを上手く活かして笑いを取る。
ダニー・グローヴァーとダニー・デヴィートを映画で見たのはかなり久しぶりな気がする。
二人とももう75歳ぐらいなのに、こんなおちゃらけたブロックバスター系に出てて元気そうで何より。
オークワフィナ、アレックス・ウルフ、マディソン・アイズマンとか有名になりつつある新人もたくさん出てきてとても賑やか。

正直褒められるような部分はそんなに多いわけではないけど、たぶんラストのユニバース化への伏線を張りたくて作ったというのが実情なんだろうな。
だからキャラクターも増えたし、大元の「ジュマンジ(1995)」とリンクするような要素も突然たくさん出してきたし。
それが悪いとは言わないけど、もう少し自然な形でやって欲しかったし、何より、続編を作るにはちょっと早すぎたんじゃない?