なっすん

七つの会議のなっすんのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.0
―この世から
  不正はなくならない
         絶 対 に―

【あらすじ】
中堅メーカーの営業一課に所属ぐうたら社員“八角民夫”。
会議では居眠り、課が多忙な時に有休申請、ドーナツの無人販売店では無銭飲食の容疑をかけられる等、ダメ社員のレッテルを貼られてもなお、なぜか20年間営業一課という花形に所属しており、その謎に包まれていた。

ある時、営業一課長の坂戸が八角を叱ったことでパワハラ問題に発展し、人事課へ異動となってしまう。
成績優秀な営業マンよりも、ダメ社員を庇った会社に不信感を持ちつつも、営業二課の原島は穴埋めで一課の課長へ昇進。その後も八角に接触した人間が次々と異動となってしまった。
八角という謎に包まれた男を追うにつれて、原島は会社の大きな陰謀に直面することになる―――


◆◆◆◆


面白かった!!!
謎のぐうたら社員、八角のキャストに野村萬斎を迎え異彩を放つも、スパルタの営業部長である北川を演じる香川照之が見事に池井戸ワールドを作り出した今作。
繰り上げ昇進によって一課長となった原島を演じる及川光博がストーリーテラーの役割として物語を進めていくので、何が起こっているのかも把握しやすく、
小難しい話だろうなあと敬遠している方にもおすすめ。
気弱で小心者な役を演じるミッチーによって、物語全体の緊張感が増したり和らいだり、いい味をだしていた。

そしてなにより野村萬斎の怪演が見事で、あの不気味で煽るような笑い方と、マジになったときの渋さ・かっこよさのギャップにやられるのは間違いない。

ストーリーの合間合間でカットインする“ヒント”がその後の重要な鍵になることが多く、気づけると気持ちいい伏線が満載。メインキャスト以外にも贅沢な役者さんがたくさん出ており、イースターエッグ的な感じで探すのも楽しかった。
なっすん

なっすん