野村萬斎好きなので、劇場公開を観逃して後悔してた。製作幹事のTBSらしくやってることは日曜劇場「半沢直樹」そのまま、キャストをもう1ランク豪華にした感じ。みんな顔芸達者。画面からの顔面の圧力が半端ない。隠蔽された不祥事と会社の闇を暴く正義漢の活躍。ムカムカさせて、スカッとさせ、エンドロールまで飽きさせない、手堅く手練れた仕事。セリフも良い。大変楽しませていただきました。ただ、企業不祥事ものとして、ネタが弱くリアリティも低めに感じ、驚きもあまりない。知らないことを知れる喜びもあまりない。大企業の御前会議ってほんとにあんな感じなのかしら？ヒキのアングルが、黒澤時代劇の御前会議みたい。池井戸潤作品観るにつけ、サラリーマンって大変だなぁと思う。そんなにノルマや上司が怖いかね？怖いけどね。いい加減なサラリーマンやってる身としては、私利私欲ではなく、会社の利益のために必死な男達が気の毒になるわ。お目当ての野村萬斎は着崩したスーツ姿があまり似合ってなくてちと残念。やはり和服が似合う男ぞ。イヒヒと下卑た笑いで昼行灯を演じた大きな芝居より、シリアスな芝居が魅力的。狂言回し的キャラの及川光博は意外と競合のいない良いポジション築いてんなぁ。嫌味のないコメディリリーフぶりに安心感がある。劇伴も的確だが「半沢直樹」のようなキャッチーなテーマ曲が欲しかった。
