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七つの会議のsingerのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
3.9
これは、とても面白かったです。
そして、凄く見応えがあって、冒頭からずーっと釘付けにさせられ、
ストーリーにズッポリとのめり込むような体験が出来ました。
流石の池井戸潤原作だなぁと言った所ですね。

自分はドラマが大ヒットした、「半沢直樹」も「下町ロケット」も観てません。
でも、映画された「空飛ぶタイヤ」が面白かったので、
この作品も劇場公開時から、観たい作品のひとつだったんですが、
これは劇場で観る価値は十分あったんじゃないかなぁと思いましたね。

それは、原作だけじゃなく、脚本の出来も秀逸だったからじゃないかなと。
ほぼ2時間ピッタリという定番の尺の中で、
これだけのテンポの良さを感じられたのは、この脚本の構成の妙だったと思うし、
本当に無駄なく、わかりやくすく、次から次へと畳み掛けるようにグイグイと観るものを引っ張ってくような展開は、本当にお見事でした。

そして、その物語をリードしていく、キャスト陣も本当に良かった。
中でも、やっぱり主演の野村萬斎の演技は、とても素晴らしかったし、
「ぐうたら社員」のレッテルを貼られつつも、何かありそうな曲者の主人公、八角をとても上手く見せてくれたと思いました。
後は、まぁ言うまでもなく、香川照之、及川光博、片岡愛之助の競演も見ていて楽しめましたね。
そして、紅一点の朝倉あきも、男性陣に囲まれつつも、とても魅力的で、単なる癒しに終わらない存在感を感じさせてくれました。
彼女は「四月の永い夢」を見て、いい女優さんだなぁと思ってたんですが、
その凛とした雰囲気と、耳に届きやすい、いい声を持った女優さんだなぁと改めて感じましたね。

そんなわけで、作品自体はとても楽しく、興奮しながら観終えられて、大満足だったわけですが、
個人的には、最後の最後で流れた、ボブ・ディランの「Make You Feel My Love」で、最高のエンディングを迎えられたのが、本当に良かったです。

この曲は、自分が洋楽を聴き始めた頃の1997年にリリースされた「Time Out of Mind」に収録された曲で、
ディランの数々の楽曲の中でも、かなりキャッチーなラブソングなので、
当時はよく聴いてた、思い入れの深い曲でした。
なので、この曲を主題歌に起用する、楽曲使用交渉に約一年を費やしたという製作陣の思いには、やっぱり共感を覚えるし、
自分が楽しめた映画作品の主題歌として、今、この時代にディランの曲に触れられたのが、とても嬉しかったですね。