形式的な会社のコンプライアンス研修であるならば、この映画1本で足りる。
一般企業版「半沢直樹」。
最初から大和田にグッと掴まれて、そのまま最後まで駆け抜ける。
野村萬斎の抑えきれない狂言感もよい。
全体のストーリーも楽しめるが、エンドロールの野村萬斎が語る、「再発防止策」。
この数分が「コンプライアンス」の真髄をグサグサと突いてくる。
社会人であれば心を動かされる映画。
社会人になると、アホほど勉強させられるコンプライアンス。しかし、それは文字面や関連知識だけであり、結果、重大なコンプライアンス違反はいつになってもなくならない。
コンプライアンスは宗教や思想と似ている。コンプライアンスは日本語では「法令等遵守」、宗教的なニュアンスで言い換えれば「教えを守りなさい」。念仏を唱えるだけでは真の信仰には繋がらない。大事なことは、念仏を「心の拠り所」とすることで人生が豊かになると確信することである。
法令を理解し、守りつづけることが企業ひいては社会の発展に繋がることを本能的に確信している状態を作ることがコンプライアンス研修の目的であり、そのためには社員の心を動かし、宗教的に「洗脳」する必要がある。
従って、今後のコンプラ研修は「七つの会議」、もしくは「半沢直樹(できれば証券会社編)」でお願いしたい。