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ピーターラビット2/バーナバスの誘惑のkissenger800のレビュー・感想・評価

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そもそも原作者は自著出版社の息子と結婚して(すぐ死別)再婚相手とも子は為さなかったうえ、生前からキャラクタービジネスを厳密に扱う意志を示していたので、この続編、前作以上にビアトリクス・ポターが創作した物語世界のキャラクターを配したオリジナル・ストーリーでしかありません。

バーナバス、あと前作から引き続き出ている鹿、その2名(2名?)を除けば全動物キャラは「ピーターラビット・シリーズ」に出てくるものの(待てよニワトリは描いてたけどその子どもたちはどうでしたかね)原作の舞台である湖水地方の雰囲気をよく表してはいるとはいえ、撮影は基本オーストラリア。

って俺この話いつまででも続けられるんですよ! ウィンダミアはもっと田舎だしヒルトップはあそこまで丘じゃないし、フレデリック・ウォーンが入ってる建物はもっとつまらない(以上いずれも取材で訪問した20年前の話ですが、たぶん変わってない)。

ただ、申し上げたいのはここまでの文章が示唆していたこととは逆の内容で-1作目のレビューでも書いた通り-このハチャメチャな物語、それでも原作者の遺志を継いだ著作権管理会社がオーサライズするだけのことはあって根本でピーターラビットの世界観は踏襲できている、が私見なの。日本では片手で数えられるぐらいしか原作者の研究者がいない分野ながら、たぶんその全員にご同意いただけると思う。

なぜならウサギは基本アウトレイジだし商業主義がキャラの本質を気にすることなんか金輪際ないのは世界中が知っていることだし、ちょいちょい日本関係のネタが放り込まれるのは監督が幼少期日本に住んでたからで、不都合なことはひとつもないわけ。

とにかくピーターラビットの世界がふんわり・のんびりなどでは全くない、という前提に立てるか、ですよね。
そしてここまでオリジナルと関係ない話でも許容されるのなら最終的にはピーター宇宙へ。みたいな話も決して不可能ではあるまい。と思うわけですが、それなんておさるのジョージ。
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