SatoshiIto

マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!のSatoshiItoのレビュー・感想・評価

4.0
極音上映、ピーター・バラカンさんのトーク付きで。

60’sロンドン。映画、音楽、写真、ファッションなどにおけるポップ・カルチャーの革命。
片隅に押しやられていた若者や労働者階級によって、それまでの反動的な価値観を破壊し、新たな文化を創り上げたそのエネルギーと革新性に満ちた時代の様相を、当時の映像と音楽をふんだんに用いて表現している。
ともかく音がいい。ゾクゾクする。
さらに、生き証人たちの当時の映像を使い、案内役のマイケル・ケイン以外は現在の映像は一切なし。懐古趣味ではなく、あくまでその時代を活写しようという演出がとてもいい。

スウィンギング・ロンドンのミニスカートの女の子たちが今でもあんなに魅力的なのも、ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」がいつ聴いても心を躍らせるのも、彼女ら彼らが旧来のフォーマットやルールに反抗し、自由であるからだ。

当然、旧来の保守派はあの手この手を使って権威を取り戻そうとする。ストーンズの面々は見せしめのように薬がらみで逮捕され、守旧派メディアは一斉に反社会勢力と見なそうとする。
ピーターさんも言っていたけど、全くもって電グル瀧氏と同じじゃないか。
旧来の権威に従順で何も言わず、むしろ自主的に商品回収しようとしてしまう現代のほうがより酷い状況なのかも。

スウィンギング・ロンドンから半世紀。ともかく世界を変えるには身近な自由からだなと。
SatoshiIto

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