スナフ菌

タロウのバカのスナフ菌のレビュー・感想・評価

タロウのバカ(2019年製作の映画)
3.7
見るのに相当なエネルギーを使った映画だった。視覚的にも不愉快な場面も多く、登場人物たちのバカさ加減にも苛立ちを感じた。
スギオ、タロウ、エージの3人が不幸になっていく様は見ててとても辛い。

人はなぜ生きるのか、命の重さなど平等に無いに等しいと冒頭の吉岡のセリフはどこか共感を覚えるところもある。弱者からすればそう思うのも無理もない。人は自分より弱者に噛み付く。自分より強いものに噛み付けばいいのに。なるほどなーと思った。

そういう歪んだ感情を救うものが愛だと思う。好きとは何?と問い続けるタロウは誰からも愛を受けたことがない孤独な少年だ。

その愛を求めて散っていったスギオというキャラクターが個人的に一番心に来た。友達が堕ちていく様を見て、止めてみたり、離れてみたり、また彼らの元に戻ったりで、完全に社会不適合者になりきれていない彼が最後あのような選択(それかあれは事故だったのかな?)を取ったのはとても胸が苦しい。三万あるよ?は笑えてしまった。

ということで、愛に飢えて孤独になった時に人は狂気に目覚めていくのだなと。

3人の演技は圧巻だった!
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