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タロウのバカの0371のレビュー・感想・評価

タロウのバカ(2019年製作の映画)
3.0
賛否両論ある前提で作られている作品だけれど、なんつーか男のための映画ですね、と思った。カギカッコ「男」というか、これができなきゃ仲間と認めねえよっていう、典型的なホモソーシャルの良くないところを見せられ続けてて死にそう、、、
そして全然そのつもりじゃないのにまた血が流れまくる作品を見てしまった。キャストで作品選ぶとめっちゃ流血ものばっかになるん辛いわ。

まあただ、トークは面白かったので、かろうじて生き返りました、分かんないなりに生きる、死ぬ、祈る、愛、について叫びまくった作品ということだそうで、作ってるほうがわかってないんだから観てるほうも「何が言いたいんだ」ってなって当然だという…(笑)
10年以上前に脚本は出来てたらしいね。ゲルマニウムより前って言ってたから調べたら15年以上前か。そのくらい古い感じは正直するかなあ…

ウッて部分は抜きにして解釈すると、人を殺せるのは自分の命をどうでもいいと思ってる人、誰からも求められなくなった時に人は死ぬ、愛されなかった人は愛し方がわからない。そういう話だと思った。

太賀くん、めちゃくちゃ喋ってくれた、演技プランとかかなり細かく考えてくらしいから、質問に答えられるように言語化できてるってことなんだろうな
劇中に出てくる「飛ぶ」って比喩は、太賀くんと川島小鳥さんの写真集の『飛びます』を思い出したな。

ラストシーンの「いのる、いきる、しぬ」は太賀くんガチで書き間違えたっていう、現場が「太賀ってひらがな書けなかったのか…」とザワついた話がおもしろかったです。あと菅田くんのアドリブが無茶振りすぎてキレそうになった話もおもしろかったです。

菅田将暉のすごいところは、テレビの青春ものも、タロウのバカみたいな万人ウケしない作品も、両方に振りながら仕事をしていることで、それが凄みに繋がってますよね、ってのはかなりグッときた。スタンスを決めてしまうほうが絶対に楽だけど、常に自分の限界を決めないで可能性に挑戦してると。わかるーー

あとトークの司会やってた宣伝プロデューサーのオブチさん? 司会なのに登壇者への質問に答えるし自分で質問するし、相当おもしろそうな人だった、という小話

11/01 追記
思い出した1つ解せなかったこと。どうして女の裸の全身は映すのに男は映さないの。女だけの裸を映す合理性は無かったはずで私は両方がしっかり映像に捉えられるべき場面だと思いました。その何らかの意識と規範と忖度のようなものがきもちわるいな、と感じたことを書いておきます。
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