sabo

天使のたまごのsaboのレビュー・感想・評価

天使のたまご(1985年製作の映画)
4.0
鑑賞日2020/04/12

ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。
忘れ去られた廃墟の町で卵を守り続ける少女が、自分が誰なのか忘れてしまった青年と出会う…

**感想(ネタバレ含む)**
この物語を一言で言うなら『押井守的オリジナル聖書の世界観を楽しむ作品』ですかね。いあー、難解過ぎて解りませんが、この作品を見た宮崎駿監督が『努力は評価するが、他人には通じない』と言ってるくらいなので(笑

冒頭から10分ほど見てふと頭を掠めたのが『なんか、惑星ソラリスを映像化したみたい』と感じたのですが、実際wikipedia見たらどうやら本当にタルコフスキーの惑星ソラリスに影響を受けてるらしいことを知って驚きましたΣ(・ω・ノ)ノ
…と、いうことは。。少なくとも押井守がこの作品で表現したかった世界観は、よく描写出来ていたんでしょうね。
そしてキャラクターデザインの天野喜孝氏によるイラストが素晴らしい♪もうあの絵を、少女の風に撓みほつれる髪の一筋ごとの繊細な描写は天野喜孝ワールドを限りなく忠実に再現してて凄い!ファンの方は見て損無しですヽ(*´∀`)ノ♪

個人的に好きなシーンは少女が青年を自分の塒に招き入れるとき『私の卵に何もしないって約束して…』と言うあのシーン( ノД`)…
初めは警戒しながらも段々と少年に心を許し、なんと言うかうまく言えんのですが少女は幼いらしい『純粋な恋』のような感情を秘めていたのでしょうか?理屈以上にそう感じました。
そして本当は卵を壊されてしまうことも直感的に分かっていた、それでも運命のようなものには抗えなかった…
なんかそんな風に考えるとこのシーンは堪らん切ないのです
・゜・(つД`)・゜・
一人で『ひとりぼっち惑星』のような孤独な世界に浸りたい時は是非☆(どんな時か笑)

ストーリー:3.8
ビジュアル:4.2
音 楽:4.0
キャラクタ:4.0
sabo

sabo