きまぐれ熊

Diner ダイナーのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
1.8
累が結構良かったから最近の邦画でも見るか〜と思い、蜷川実花作品ってどうなのかなと観てみた

原作未見。漫画も絵柄があんまり好きじゃなくて見てない。

殺し屋だけが入れるダイナーって設定自体に実はあんまりピンときてないんだけど、
それにしてもファンタジーとごっこ遊びは違うと思うんだよね
ファンタジーって、現実とは違う非日常世界なりの文化と価値観で人が生きてるはずなのに、この映画にはそういったものが一切感じられないんだよな

監督が評価されているであろう色彩感覚は確かに綺麗。
だけど色とりどりの内装やギラギラした家具や、激しい色合いの料理が表現している意味や要素が全く見当たらなくて、ダイナーの主人が用意したようにはとても見えない。ストーリー上の理由もない。
だから監督が拘って用意した内装ですってのが貫通してるようにしか見えない
ストーリーのないMVならそれでいいと思うけど2時間見なきゃいけない映画ではきつい。
せっかくの綺麗な家具とか色彩センスもストーリーに意味がなかったら邪魔なだけ。リアリティを欠くのでマイナスでしかない

殺し屋たちの衣装もただ奇天烈なだけでどうしてそれを着てるのかが一切わからんし。
厳しい世界で生きていく為に鎧をまとった結果、奇天烈な見た目になっていく...のを感じさせるのがリアリティだと思うんだけど、奇天烈な格好がオシャレだから着させただけって感じ。
あと人が死ぬ時に花びらを散らすんだけどこれって命が散るのと同時に、血の比喩になってるから想像でグロさが引き立つんであって、結果的に血糊使うなら意味ないと思うんだよな
ビジュアルのオシャレさ以外は何もない映画だった。虚無。

そんな中で、
窪田正孝の演技力と玉城ティナの絶対領域だけは救いだった。
いや、それにしても文句があるわ
窪田正孝演じる殺し屋が狂ったシーンでいきなり銃をぶっ放したことに強烈な違和感があって、?マークが出たんすよ。それでそこだけ調べてみたんだけど、どうやらキャラ設定を変えてるっぽくてそれでピンとこなかったみたい。窪田正孝頑張ってるのにかわいそうや。
玉城ティナもメイド姿は可愛いし絶対領域のおかげで鑑賞をやめずに済んだみたいなとこはあるけど、どう考えても明度を抑えた衣装の方が似合う。終盤でクラシカルなメイド服に着替えるんだけど最初からそれ着ててくれよ。

あとビジュアルイメージはここまでこだわるのに音楽がめちゃんこダサいのも理解不能。
色彩だけ日本人離れしてるのに劇伴が典型的な邦画仕様で空間のミスマッチ具合がすごい。

そういえば登場人物の名前の出し方も死ぬほどダサくて意味が分からない。
意味不明過すぎて監督実は監修してないんじゃないかとすら思えてくる。
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