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プライベート・ライフのGreenTのレビュー・感想・評価

プライベート・ライフ(2018年製作の映画)
3.0
リチャード(ポール・ジアマティ)とレイチェル(キャサリン・ハーン)は、不妊治療に励むアラフォー・カップル。人工授精が失敗すると、体外受精を試すが、実はリチャードの精液に精子がないことが判明、リチャードは10万ドルかけて手術することになる。

その手術費用を貸してくれたのが、リチャードの兄チャーリー(ジョン・キャロル・リンチ)。彼の再婚相手シンシア(モリー・シャノン)の娘セイディは、25歳にもなって大学卒業できないのだが、アーティスト・タイプなのでニューヨークに住んで作家をしているリチャードとレイチェルを実の親のように慕っている。

セイディは大学をリモートで卒業することに決め、リチャードとレイチェルを頼ってニューヨークに出てくる。レイチェルの卵子が妊娠の妨げになると医師に告げられたリチャードとレイチェルは、セイディーに卵子提供者になってくれと頼むが・・・・・

すごい色んなことが起こるのであらすじ長くなっちゃいましたが、良くできた脚本です!面白い。ユーモアもあって、私が爆笑したのは、ホームパーティで大人の前で歌う小さい女の子。子供らしいヘタクソさが可愛いのはもちろんなんだけど、説明できない可笑しさがある。で、その娘が歌い始めると、後ろで妹と思われる女の子が勝手にダンスし始めるのだが、これが爆笑!なんだろ、タイミングというか、ピントが合ってないとか、説明できないけどめちゃウケる。

もう一個爆笑したのが、サンクスギビングに家族が大勢集まってディナーする席で、セイディがレイチェル/リチャード夫妻に卵子提供することを発表すると、母親のシンシアが激爆して、セイディ、レイチェル・リチャードはパーティの途中で車に乗って去ろうとするんだけど、それを追いかけてきたシンシアが大声で罵倒する中、旦那のチャーリーが丁寧に包んだ残り物を無理やり渡すシーン!こうして文章で書いても全く面白さが伝わらないけど、めちゃ笑う!

チャーリーを演じるジョン・キャロル・リンチってこういう役上手いんだよなあ。この人普段は名脇役だけど、主演した『Anything』って映画良かったなあ。

モリー・シャノンはキライ。でもきっとあの人はあれがキャラなんろうけど。

この物語は、監督・脚本のタマラ・ジェニングスが不妊治療したときの経験を基に作ったらしいんだけど、まー、不妊治療大変。金もかかるし。個人的には子供欲しいと思ったことないので、この執着が理解できない。後半にリチャードが、不妊治療中心の生活になって、他のこと何も楽しめない、夫婦じゃなくて、プロジェクトを一緒にするパートナーみたいって言う場面があるけど、すごい共感した。

特に女は注射も痛そうだし・・・あんなことやらされて、実は夫が精子ないですってめっちゃムカつくと思った。で、2人ともトシだけど、夫の精子はオッケーだけど、妻の卵子はトシ過ぎて使えないから、若い娘の卵子を提供してもらって受精して、それを妻のお腹に戻して出産するって!ふざけんな~って思うよね。

こんな不自然なことをしても養子じゃなくて自分で産んだ子がいいの?妻にとっては自分の子でさえないのに。

これ、脚本が良くできていてキャラクター造形もいいのですごい評価高いんだけど、低い人たちは「落ち込む映画!」って言う理由で嫌っている。ラストも「答えもなければ救いもない」って。

私は「そんなに嫌わなくても」って感じの感想を持った。私はただひたすら理解できないけど、登場人物をキライにはなれない感じだった。
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