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青の帰り道のmercyのレビュー・感想・評価

青の帰り道(2018年製作の映画)
4.2
"こんなはずじゃなかった"
まだ大人じゃなかったとき。好きなことがあって、一緒にいて楽しい人たちといて、夢ってほど大きくないけど理想とか憧れとかこうなれたらいいなって思い描いてる自分の姿があった。
いざ大人になったとき。やりたいことはできていなくて、周りの人は幸せそうで、誰かのせいにしたくなって、結局どんどん自己嫌悪になって、気付いたら思い描いてた自分とは随分遠いところにいる。今でもずっと"こんなはずじゃなかった"って思って生きてる。カナの言葉が残る。リアルさが苦しかったなぁ。

私は「自信持って」と言われるのがとても苦手。そんなの持ててたらこんなに苦しんでないよって思ってしまうから。でもキリのお母さんのそれはなんか今まで言われてきた「自信持って」とは全然違って、親に言われるからなのか、あのお母さんに言われるからこそなのかわからないけれどスーッと沁みて涙がボロボロ溢れた。映画の中に自己投影をしてしまいがちなので救ってくれる言葉があるだけで生きる糧になる。

監督と清水くるみちゃんのお言葉が直接聞けるタイミングで観に行けたこととても光栄でした。たくさん思いが詰まった作品なんだということが伝わった。上映劇場増えるといいなぁ。

16
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